>学校をつくろう!

  第75号より

「卒業を祝う会」より
 2009年度の卒業生は高等部2名、夜間中学校の14名、修了生は専門部の2名でした。  3月14日に行われた「卒業を祝う会」で星野から卒業生に送られた言葉と、卒業生から珊瑚舎スコーレに送られた言葉を幾つか紹介します。

「島村諭君が珊瑚舎スコーレ高等部を
 今日、卒業することを
 みなさんと認め合うための辞」
   君はたくさんの人から愛されています。それは君の宝物です。でも、それだけではありません。たくさんの人から愛されるのは君の中に本当の宝物があるからです。
 これから君は様々な場所で様々な人と出会うことでしょう。その時々の喜怒哀楽をサトッピーコードのギターにのせて思い切り歌いましょう。君の中の宝物がますます輝きを増すよう心から願います。歌いましょう。愛するために歌いましょう。学びましょう。愛するために学びましょう。

「珊瑚舎スコーレへ」      島村 諭
 星野人史校長先生と一緒に文章講座をして、発音の勉強になりました。遠藤知子先生、優しくしてくれてありがとう。樋口佳子先生サポートしてくれてありがとう。佐藤空先生サポートしてくれてありがとう。連絡帳を忘れて夜、取りに行った時優しく声かけてくれました。珊瑚舎の先生皆が僕を支えてくれました。僕と蒼生と一緒に外でお弁当食べて楽しかったです。ここまで頑張って来た僕、これからもよろしくお願いします。

「長岡蒼生君が珊瑚舎スコーレ高等部を
 今日、卒業することを
 みなさんと認め合うための辞」
   授業でヒトというものについて君と考えてみました。いろいろなことが次々に飛び出して、どう近づいていいかわからなくなります。
 自分という存在に輪郭を与えることも同じようにむずかしいことだと思います。なぞることができないからです。でも人はそれを求めてしまいます。なぞることができないものをなぞる不幸が生まれます。
 君はなぞらずにいようとして苦労しているように感じることがあります。不安になることもあるかも知れません。でも、なぞる不幸から遠く離れたところから見える自分はきっと素敵なものではないかと思います。学びましょう。愛するために学びましょう。

「卒業するにあたって」     長岡 蒼生
 長い2年間でした。僕はここで多くを学びました。色んなものに育てられ、助けられました。つまらない事も、面白い事も、すべてが僕に干渉してくる“何か”でした。そんな何かに僕は育てられました。
 これを書いている今、卒業というものにはっきりとした実感をもてずにいます。ぼんやりとした寂しさだけがあります。寝て覚めても、毎日がまだここにあるようなそんな気がします。朝には、サトシのギターと歌声とがきこえてきて、それを合図にはじまる毎日が、ここにあるような気がします。くだらない事に笑ってみたり、たまには真剣に話してみたり、どうでもいいような事に苛立ってみるような、そんな毎日が僕とまだここにあるようなそんな気がします。そして当分は、そんな違和感と過ごさなければならないんだと思います。ここにいる人達は強く愛に溢れています。時としては想像力に欠ける事があっても、底には間違いなく愛が流れています。ここは騒がしいし、あたたかいし、優しいところです。僕が生きてきたどこよりも居心地のいい場所です。最近はそんな居心地のよさにさえ苛立ちを感じるようになりました。そろそろ僕は外に出るべきなんだと思います。僕にとってここは、通り過ぎる場所です。この先、何か困難があったとしても、ここですごした時間は糧となり、僕を生かしてくれるはずです。いい助走がつきました。ありがとう。僕と関わった(本当に)全ての人たちに愛をこめて。

「大城レイ子さんが
 珊瑚舎スコーレ夜間中学校を
 今日、卒業することを
 みなさんと認め合うための辞」
   あなたが沖縄民謡の中で歌われる謝敷美童だと知った時、なんだかとてもうれしくなりました。しかし、珊瑚舎に入学するまでの人生、とりわけ美童時代は大変だったと思います。学校に行けなかったことをあなたは大きな忘れ物をして来たと言います。忘れ物をとりもどしに来た三年間、いい時間をつくったと思います。しっかり持ち帰って下さい。そうして民謡の中に歌われるような平和でときめくような人生をおくられることを願っています。
 三年前、あなたは学ぶ喜びの時を刻む時計を動かし始めました。この時計の針を動かし続けましょう。
 学びましょう。愛するために学びましょう。

「珊瑚舎へのメッセージ」   大城 レイ子
 私達の子ども時代は戦争と戦後の混乱期で貧困の中、義務教育が奪われて、そんな私達が珊瑚舎スコーレ夜間中学校に入学出来たことを心から感謝しお礼を申し上げます。二〇〇四年の開校当時の新聞を切り抜き宝物に持っていました。実生活では四人の子どもの親です。それぞれ子どもたちも成人していく中、自分の事を振り返った時、中学校を卒業すると言う大きな忘れ物があり、これを機に夢を実現させる思いから珊瑚舎スコーレ夜間中学校へ入学するまで四年も考えました。「勉強のこと、家庭のこと、三年間通い続けていけるか」と不安でいっぱいでした。三年前の入学の喜びは今でも昨日の事のように思い出され人生の一ページとなりました。私たちは後期高齢になって初めて修学旅行の夕食の宴会も皆が盛り上げて最高に楽しかったです。校長先生を始め、事務局の皆様、教科担任、サポーターの皆様の支えと力をいっぱいお借りして、暖かい指導のもとで充実した三年間を過ごす事ができましたことを感謝しております。これからも一人でも多くの方が学ぶ場として学校の存在であり続けることを願いつつ、感謝の言葉とさせて頂きます。在校生の皆様、お体を大切に頑張ってください。

「高良ケイ子さんが
 珊瑚舎スコーレ夜間中学校を
 今日、卒業することを
 みなさんと認め合うための辞」
   あなたは夜間中学校の一期生です。あれから六年の月日が経ちました。あなたはこつこつゆっくりと学びを積み上げました。一行の文章も書けずに悩んでいたあなたは、いつからか驚くほどの文章を書くようになっていました。字を書くという行為が人にとっていかに尊いことなのかをあなたは僕に教えてくれました。
 六年前、あなたは学ぶ喜びの時を刻む時計を動かし始めました。この時計の針を動かし続けましょう。
 学びましょう。愛するために学びましょう。

「珊瑚舎スコーレ 星野先生へ」 高良 ケイ子
 いよいよ卒業の日になりました。六年前、不安とうれしさの中珊瑚舎に入学しました。一番は、やはり勉強することでしたが、その他にも遠足やキャンプ、修学旅行など、今までの人生の中で体験できなかった学生らしいすばらしい機会を与えていただきました。自分の名前すら満足に書くことのできなかった私を熱心に指導して下さりありがとうございました。珊瑚舎で学ぶことができて、この歳でもやればできるんだという自信になりました。星野先生やボランティアの先生方、サポーターのみなさん、事務局のみなさん、六年間お世話になりました。ありがとうございます。

〜在校生から卒業生へ贈る言葉〜

「四字熟語の別れの詞」
    嬉しくて、哀しい。そう思います。2人との別れが、また別々の出会いに繋がる事を願っています。
 短い間だったと安易に言ってしまうのは口惜しいけれどこの出会いは、大事に出来たと思います。
 もう少し早く出会っていればもっと親交を深められた。本当に、切ないです。
 日々移りゆく世界を歩きながら、学び楽しんでください。そして、明日がある事に、生きている自分に、感謝を忘れないでください。あなた達がいる事を僕は感謝しています、出会えて良かった・・本当に。短くても、その時間の中でお互いに学びあえただけでも良かったと思います。
 蒼生(あおき)素直、蒼生に送る四字熟語です。蒼生は素晴らしい観点を持っているけれど、時々斜めになるから素直な視点で、物事の良し悪しを視つめてください。四季の如く、こころの如く、水面の如く、空の様に。  諭歌(ろんか)熱唱、諭の歌は心に熱いモノを感じます。情熱的で優しい思いを胸に生きてください。只、時々浮かれる時があるから、ちゃんと自分を抑えてください。
 これから、僕達はお互いに違う苦難に立ち向かいます。けれど、“苦楽”を共にするとは苦も楽も一緒に訪れると言う事です。僕達は、進む道は違えど同じ星を歩いている事を時々でいい、思い出してください。僕も、2人といた時間を思い出しながら新しい時間を在校生と過ごします。
 蒼生も諭も、どうか新しい感性を研いてこれからを歩んでください。
                                       専門部 春日朋徳