「卒業を祝う会」より
2008年度の卒業生は高等部3名、専門部1名、夜間中学校5名の計9名でした。
3月8日に行われた「卒業を祝う会」で星野から卒業生に送られた言葉と、卒業生から珊瑚舎スコーレにおくられた言葉を幾つか紹介します。
「朝倉祐基君が
珊瑚舎スコーレ高等部を
今日、卒業することを
みなさんと認め合うための辞」
好奇心はきみの宝物です。自分に対する好奇心はもっと大切な宝物だと思います。
「最近、ユーキ、いいなぁ」と思うことがあります。それはきっと珊瑚舎やいろいろな人とのかかわりの中でその好奇心を大切にする楽しさを見つけたからではないかと思うのです。自分の好奇心は自分ひとりで相手にできるものではないことをきみの表情は語りかけてきます。自分にもまわりに対してもやさしい眼差しを向けているきみがいるのです。ちょっとあぶなっかしいところもあるのに、ほめすぎかも知れません。でも僕はそう思えることがとてもうれしいのです。新しい場所に出掛けましょう。学びましょう。愛するために学びましょう。
「珊瑚舎スコーレへ」 朝倉 祐基
断片的に、僕は珊瑚舎で起こった事を思い出している。ぼやけている所も、はっきりしている所もある。卒業を目の前にすると、たくさんの人達の顔や映像が浮かんでくる。気付けば、今年は珊瑚舎に来てから4年目の年になる。とても長い時間ここに居たんだ。4年間、僕は珊瑚舎以外の日常を知らなかった。ここに通う事で生活をしていた。これから、朝起きて、学校に通う事も、行事のたびにあせることも無くなるんだと思うと、とても不思議な気持ちになる。珊瑚舎で、僕はすごく良い時間の過ごし方を知り、何かを考える楽しさ、苦しさを学んだ。まわりとのつながり方を学んだ。珊瑚舎は一瞬一瞬変わっていったし、僕も一瞬一瞬変わっていった。新しい年を迎えるごとに、学校の新しい表情があったし、新入生が入ってくるたびに違う環境があった。僕はこの場所を通して僕を受け入れようとしたし、知ろうとした。
自分を知ることは僕の大きなテーマで、それはこれからも続いています。
いっぱいぶつかり合って、向き合って、いろんな人と関わって、悩むんだろうと思う。だから不安でいっぱいです。でもドキドキします。ワクワクします。僕は今、卒業を祝う会で壇上に上って、この文章を読んでいる自分の姿を想像している。きっと今よりももっと不安で、ドキドキしてて、もっともっとワクワクしているんだろうと思います。
僕は今日、卒業出来る事が嬉しい。ありがとう、珊瑚舎、さようなら。僕は卒業します。
「宮城遵多君が
珊瑚舎スコーレ高等部を
今日、卒業することを
みなさんと認め合うための辞」
できないことにおびえていたきみは、できないことをやってみる勇気を手に入れました。この頃きみの眼差しはまっすぐに深く、そして澄んでいます。それは突然そうなったのではなく、きみが自分自身に対する誠実さをずっと持ち続けていたからだと思います。
がんまりで、水を入れたポリタンクを何度も何度も運び続けていたきみの姿が焼きついています。さながら求道者であるかのような清廉さに心が動きました。そういう君の姿をいろいろな場面で見ています。卒業ということばの中には入りきれないほどの宝物がきみの中にあるはずです。学びましょう。愛するために学びましょう。
「珊瑚舎スコーレへ」 宮城 遵多
珊瑚舎に通って5年の時が流れた。
この5年の間には苦しい時、悲しい時、嬉しい時があって、今やそれは自分の力となって働いている。これから外の世界に出て行くけれど、同じようなことが沢山あると思う。でもそれは人生を生計する柱だから当たり前のこと。自分は独りなんかじゃないし、社会が側についている。それを珊瑚舎は教えてくれた。だから外の世界に出て、いろんな所に行って、人と喋って、情報を得ようと思った。別れは寂しいけれど、一生会えない訳じゃないし、死ぬ訳でもない。自分の事は忘れないで下さい。5年間、本当にありがとうございました。
「藤井 啓君が
珊瑚舎スコーレ専門部を
今日、卒業することを
みなさんと認め合うための辞」
きみは卒業後も珊瑚舎にかかわりたいと言いました。ありがとう。いっしょに作りましょう。
炭火のように穏やかな熱があります。きみを見ていると穏やかな火を灯し続けることができる人なのだろうと思います。「人には高さと遠さが必要です」ということばに魅かれるのはきみの中に静かに輝く光源があるからなのだと思います。
珊瑚舎での出会いと体験を僕たちといっしょに磨いていきましょう。学びましょう。愛するために学びましょう。
「卒業にあたって」 藤井 啓
たくさん遊んで、たくさん疲れた。
誰かとゆんたくすることや、笑うこと、気まずくなることや好きになること、唄うこと、がんまりすること、出会うこと。一人で居る時間と同じくらい誰かと居る時間が大切になった。
始まり、僕は沖縄に来たわけじゃなく、珊瑚舎に来た。珊瑚舎で出会い、学び、知らない世界に触れ、魅かれ、考え、何かを感じたいと思った。今、感じてきたことを言葉にしたり、しなかったり、まだできなかったりする。多分その繰り返し。素敵な自分になりたいです。
「人には高さと遠さとが必要」という言葉に魅かれ続けている。
「石原紀代さんが
珊瑚舎スコーレ夜間中学校を
今日、卒業することをみなさんと
認め合うための辞」
あなたは一年生の時、「古い記憶」という文章を書きました。何度も何度も推敲を重ねていました。その文章をクラスメートの前で朗読しました。その体験は長い間、あなたの中にわだかまっていたひとりの肉親への思いを別のものに変える力を持っていました。「これを機会にもう恨むことはやめ、許してあげたいと思います」とあなたは文を結びました。僕は拝みたくなるような気持ちになりました。
三年前、あなたは学ぶ時を刻む時計の針を動かし始めました。この時計の針を動かし続けましょう。学びましょう。愛するために学びましょう。
「夜間中学校珊瑚舎スコーレ 星野校長先生へ」
石原 紀代
私が学ぶ決意して早三年がたちました。私にとっては、初めての卒業式です。ほんとうにゼロからのスタートだったと思います。
七教科をとおして、思った事を言葉と文で伝えられる事ができるようになりました。珊瑚舎スコーレという学べる場所や環境がありたくさんの人達との出会いを通して、価値観が少しずつ変わり心強い先生方々、事務局ボランティアのたくさんの方々に助けられて感謝しています。これからも学ぶ楽しさを持ち続けていきたいと思います。三年間お世話になり、ありがとうございました。
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