>学校をつくろう!

  第57号より

    第6回「春の学校・うりづん庭」特集

 春の学校・うりづん庭(なー)は毎年学年末に2日間にわたって様々な形で発表する場です。生徒・学生が企画する授業や討論会、舞台発表、様々な展示、また「まれ人講座」や「波打ち際博物館」などもその企画の一つです。最後は「卒業を祝う会」で締めくくられます。

「卒業を祝う会」より
 2006年度の卒業生は中等部の瑞慶覧長俊、高等部の浦川聖、我那覇宗伯、金城由希子、小林啓友、手塚歌野子、湯本悠樹、與那覇卓、専門部の渡邊三恵子、夜間中学校の翁長貞子、加藤作華、友寄和子、中村ヒサ子、仲本豊子、宮里タツ子、山城良子、与儀初子の17名、修了生は専門部の須田あずさ1名でした。
3月11日に行われた「卒業を祝う会」で星野から卒業生におくられた言葉と、卒業生から珊瑚舎スコーレにおくられた言葉を幾つか紹介します。

 「小林啓友君が珊瑚舎スコーレ高等部を
 今日卒業することを
 みんなで認めあうための辞」

 自分自身に誠実になることはとてもむずかしいことです。しかし、そうしなければ自分をつくることはむずかしくなります。ぼくはきみにもの足りなさをずっと感じています。学校はおもしろいところです。人の変容を忽然と生み出します。もちろん変容を生むためには時間と努力と同行者が必要です。卒業を間際にして、そのような時間がきみにおとずれたのではないかと思います。きみの笑顔は最近ますます輝いています。
 学びましょう。愛するために学びましょう。

 小林 啓友
 ここで過ごした3年間は僕にとって生きていく大きな力になりました。
最初来たばかりの頃は、なんで自分達で学校を創んなきゃいけないんだろう?って思って全てがめんどうくさかった。自分で決めて沖縄に来たけれど、どうしたらいいのかわからなくなった。そう思うたび、ベッドで声を殺して泣いていた。珊瑚舎に通うたび、どんどん裸にされていくようだった。そして今まで知らなかった自分の弱い所がさらけだされていく、そんな自分を見て素直になれなかったり、逃げようとしたりもした。
 でも珊瑚舎のみんなに支えられて、僕は今まで生きてきて初めてありのままの自分と向きあう事ができたし、自分の事を知ることができた。
 珊瑚舎で過ごした時間はとても短かったけど、たくさんのことを学びました。今まで学んだ事をこれから先も忘れることなく生かしていきます。これからは夢のために地元で頑張ります。3年間ありがとう。そしてこれからもよろしく。

 「手塚歌野子さんが珊瑚舎スコーレ高等部を
 今日卒業することを
 みなさんで認めあうための辞」

 あなたは時々寂しそうな顔をしてひとりでいることがあります。しかし、「学校をつくろう!」に向かいあっていました。体を動かすこと、人に丁寧であることはどんな時も変りませんでした。授業をおろそかにすることもしませんでした。「学校をつくろう!」は言葉で言うほど簡単なことではないことをあなたはよく知っていると思います。あなたの笑顔からそれを感じることがあります。しかし、そのむずかしさを知っていることがあなたの宝物なのだと思います。
 学びましょう。愛するために学びましょう。

 手塚 歌野子
 今、珊瑚舎で過ごしてきたたくさんの時間を思い出しています。珊瑚舎での毎日は決して楽しい事ばかりじゃなかったけど、今思い返してみると全然後悔なんて無くて楽しかった思い出ばかりがあります。私はずっと一生懸命に、でも漠然と自分を変えたい、変りたいと思っていて、自分が嫌で、それなのに考える力も持っていませんでした。
 珊瑚舎は、私がそのまま“私”でいていいのだということを教えてくれました。未熟で何も出来ない私をそのまま“私”として受け入れてくれたのがすごく嬉しくて、ホッとしました。
 この三年間、特に最後の一年は自分とたくさん向き合えて自分を見つめることで珊瑚舎のみんなとも少しずつでも向き合えるようになれたと思います。学ぶことも楽しくなって、もっとやってみたい事も大きくなってきました。自分が前向きに進むことが“学校をつくろう!”に大きくつながっていたのでした。“学校をつくろう!”は無限で、ゴールなんてなくて自由自在です。
 珊瑚舎で私はかけがえのないたくさんの事を学んで、自信とか言葉とか苦しみとかたくさんのモノをもらいました。珊瑚舎で学べて本当に良かったと思います。みんなに感謝をしています。ありがとう。

 「湯本悠樹君が珊瑚舎スコーレ高等部を
 今日卒業することを
 みなさんと認めあうための辞」

 入学した当初、きみは人と目をあわせることも人と話すことも苦手でした。苦手と言うよりその術を知らなかったのかも知れません。しかし、きみはなかしもー寮と珊瑚舎に精一杯つきあおうと一生懸命でした。自分が珊瑚舎を選んだことをないがしろにしようとはしませんでした。そのこころ持ちが笑顔をつくり、友達をつくり、そうしてきみ自身をつくる術を手に入れるところまできみをつれて来ています。きみの時間がはじまります。
 学びましょう。愛するために学びましょう。

 湯本悠樹
 初めて来た時入る気はまったくありませんでした。 でもある日自分はもっと広い世界に出て行けると気づきました。そう思った時、珊瑚舎に入学しました。
 入学してからはけっこう人見知りをしてなかなか人と上手くつき合えませんでした。人とつき合うのは大変です。それはときにとてつもなく深い傷をつけられるから。それでも人とつき合います。それは傷つけられるより1万倍ぐらい楽しいことが多いからです。珊瑚舎での3年間は圧倒的に楽しかった。
 辛いのは自分がすごく小さいと感じた時。そんな時、他の人を見るとみんなそれぞれ辛さを抱えて生きているということを知った。だからがんばれた。みんなのおかげでがんばれた。珊瑚舎に居て自分は変った。いや、本来の自分になれた。本来の自分は長い間眠っていた。それが目を覚ました。そこから見える世界は暖かく慈愛に満ちていた。世界のために自分がいるのではない。自分を愛せた時、世界が見えるのだ。珊瑚舎でそれを学んだ。
 本当にありがとう。珊瑚舎で出会ったすべての人にありがとう。宝物の3年間でした。これからも輝いて生きていきます。

 「山城 良子さんが珊瑚舎スコーレ夜間中学校を
 今日卒業することを
 みなさんで認めあうための辞」

 一年生の時、あなたが書いた「古い記憶」の中のあなたが70年近くたって、こうして、今ここにいらっしゃいます。あの文章の中の少女のまなざしが、今もあなたの中にあるのだと、三年生の時にあなたが書いた「珊瑚舎への道のり」を読んで感じます。
 あの繊細さが旺盛な好奇心に変容したのです。学ぶ喜びを刻む時計をあなたは動かしはじめました。 学びましょう。愛することを学びましょう。

 山城 良子
 3年前、初めて珊瑚舎スコーレにあがってきて教室に案内されました。10名以上いたと思います。皆うれしそうな表情をしていたのが印象に残っています。先生がどんなお話をなさったか忘れてしまいました。あれから3年、校長先生やボランティアの先生方、サポーターの皆様方に教えていただき感謝しています。ありがとうございました。
 この学校のよい所は自己評価する事だと思います。自分で努力する事を教えてもらいました。また、人生に希望をもたせてくれる学校だと思います。私は勉強はまだまだですが、卒業することにしました。がんばります。先生方もお体を大切に在校生や新入生のためご指導よろしくお願いします。

 「宮里タツ子さんが珊瑚舎スコーレ夜間中学校を
 今日卒業することを
 みなさんと認めあうための辞」

 夜間中学校の開校を知って、あなたは思わず「神様は私を救ってくれた」と言いました。それほど長い間、あなたはいつか学校に通えるようになることを願い続けていました。入学してからのあなたは、実に穏やかな、しかし、決して消えることのない熱意をもって学び続けています。教室で輝いています。学ぶ喜びを刻む時計をあなたは動かしはじめました。学びましょう。愛するために学びましょう。

 宮里 タツ子
 3年前の4月、私は夜間中学校の事を知った時、迷う事なく珊瑚舎スコーレの門をくぐりました。そこには熱心に教えて下さる先生方、ボランティアの方々がおられました。全科目の授業は大変でしたが、わかりやすくご指導下さった星野校長先生、全教科の先生方、ボランティアの方々、本当にありがとうございました。
 珊瑚舎スコーレにかかわって下さったすべての方達に、ありがとうと声たかく申し上げます。

 「加藤作華くんが珊瑚舎スコーレ夜間中学校を
 今日卒業することを
 みなさんと認めあうための辞」

 きみは頭と体と、そして心がよく動く人です。すばらしいことです。きみの宝物です。遠く故郷を離れて、珊瑚舎の「学校をつくろう!」に参加しようとすることは大変努力のいることだったと思います。しかし、今、ここに立っている君は「学校をつくろう!」を自分のものにしている清々しさがあります。この清々しさがきっとこれからの君の人生に大きな力を与えてくれるものとぼくは思っています。  学びましょう。愛するために学びましょう。

 加藤作華
 珊瑚舎のみんな、本当にありがとう!!ここではしつこくできたりうるさくできたり色々な事がとてもたまらなく楽しかったです。くるしい事もいっぱいあったけどみんなといっしょにのりこえられるからなんでもあとに楽しい事があってよかったです。
 いっぱいいやな事も言えない事もあったけど僕の人生をたすけてくれたのが珊瑚舎です。この場所がなかったら僕はどうなっていたか分かりません。
 珊瑚舎は僕を育ててくれました。はなれるのはかなしいけど、僕はこういうふうに思っています。ただ、もう大人になったから家を出ていくだけです。
 色々めいわくかけたり、まちがいがあったらごめんなさい。本当におせわになりました。夜間中のみなさんにも色々と大変おせわになりました。珊瑚舎のみなさん本当にありがとうございました。僕は千葉でがんばっていきます。
 みなさん、いってきます!!