>学校をつくろう!

  第48号より
  私と韓国
                             高等部卒業生 金 そな

 珊瑚舎スコーレを卒業してすぐ私は語学留学のために韓国にむかった。通うのは外国に暮らす韓国人に韓国語や韓国の文化を教える学校だ。わたしは在日韓国人3世で、母語は完全に日本語である。韓国語は私にとって外国語のようなものなので、在日韓国人の私が韓国に語学留学することはおかしな話ではない。
 韓国に着いて私は1班から8班までのレベル別のクラスの中で8班に入ることになった。基本的に下のほうのクラスには在日が多いのだが、レベルが高くなるにつれ日本以外の国から来た生徒が多くなる。たとえば8班は、日本、中国、グアム、パラグアイ、ドイツ、ブラジル、ロシア、ウルグアイ、カザフスタンといったかんじだ。みんな血が純粋な韓国人でもなかなかどうして生まれ育った環境で顔も中身も変わってくる。南米から来た子はどこかラテンの香りが漂うし、中国の場合だれよりもハッキリもの申す。
 最初の授業で韓国の国歌を習ったのだが、その時みんなの国の国歌も歌ってみることになった。どの国から来た子もそれぞれ友だちと国歌を誇らしげに歌ってみせた。だけど私たち在日は「君が代」をちゃんと歌ったことがなかったし、誇りをもって歌う歌でもないため歌えなかった。先生も「君が代」は聞きたくなさそうだった。みんな楽しそうに自分の生まれた国が大好きだと照れ笑いするなか、在日の私たちだけが浮かない顔をしていた。
 韓国といったら今まさに、反日運動まっ最中だ。指を切り落としてデモをする人、自殺をして訴える人までいる。小学生でさえ"竹島問題"を知っている。街を歩けば悪口の嵐だ。「私は日本人じゃなくて在日韓国人だよ」と言っても「なんだ、日本人か」とそっぽをむかれる。だけど一たび仲良くなってしまえば、うっとうしい程世話をやくのが韓国人である。食事からサウナ(韓国人は夜にサウナに行くのが大好き)まで全部面倒をみてくれる。どこか憎めないのだ。私は韓国が嫌いではなくなった。この国はこれからどんどん発展する。日本の背中を必死に追いかけて追いぬこうとする。だけど、その一方でイジメやリストラ、自殺、援助交際など最近の日本のメディアをにぎわす問題も浮上しつつある。障害者やマイノリティ、女性にたいする差別のモラルは最低だ。だけどゴカイがあると私も悲しいので韓国を誉めてみよう。まず食べ物が美味しい!!!これはゆずれない。それに市場はどこか沖縄に似た匂いがして活気があって韓国人(女)の強さがかいま見られる。みんな気前がよくておもしろい。ケンカっぱやいけど礼儀正しい。さすが儒教の国である。「敬天愛人」(天を敬い、人を愛すること)今でも韓国人の胸の奥に根付いている。


学校の役割      その38

「夜間中学校に関する請願」が10月13日に開かれた沖縄県議会において全会一致で可決されました。

請願の要旨は以下の4点です
1.沖縄県における学齢期を過ぎた義務教育未修了者の実態を調査すること。
2.学齢期を過ぎた義務教育未修了者の学ぶ権利を保障し、教育機関の設置と小中学校の卒業を認定すること。
3.「珊瑚舎スコーレ・夜間中学校」を学齢期を過ぎた義務教育未修了者のための教育機関として認定し、その運営に補助金を支給すること。
4.学齢期を過ぎた義務教育未修了者のための教育機関の設置を広報で県民に周知すること。

 昨年、「夜間中学校に関する陳情」を沖縄県知事、沖縄県議会議長と沖縄県教育長に提出しました。残念なことに継続審議扱いで、事実上の棚上げになったと判断しました。また、伝え聞くところによると、県教育委員会の方の感想は夜間中学校を県民がどれだけ必要としているか判断しかねるという内容でした。
 夜間中学校を見学し、実情を知れば陳情の内容が理解できると思うのですが、そのような動きはありませんでした。そこで、今年は署名を添えた請願に切り替え、再度提出することにしました。
 請願は陳情と違い、紹介議員が必要です。県議会の文教厚生委員会の委員、12名に紹介議員の要請したところ、4名の方が受諾してくれました。9月県議会に提出するまでに1ヶ月半ほどしかありませんでしたが、署名者を1万人集めることを目標にしました。さまざまな方の協力をいただきました。9月27日に16,148人の署名を添えて請願を提出しました。署名は請願提出後にも届けられ、最終的には16,880人の方々が署名をしてくださいました。目標の1万を7千近くも上回り、その数に驚いています。署名にご協力して頂いた方々に、この場を借りて、心からお礼を申し上げます。ありがとうございます。
 10月5日、文教厚生委員会の参考人質問がありました。参考人として代表の星野、補助者として夜間中学校の1年生 新垣洋子さん、2年生 Y.M.さんの3名が出席しました。
 星野が夜間中学校を開設した経緯と重要性を述べたあと各委員から夜間中学校に対する質問がありました。カリキュラム、教科書など制度の問題について質問がありましたが、夜間中学生の実態と学習権を保障することを優先して考えることの重要性と卒業を認定することが請願の柱であることを指摘しました。運営についても学校教育法の枠をはめるのではなくNPOなどの組織と行政が連携することが運営資金の問題なども含めて現実的な方法であることを述べました。
 生徒の2人は夜間中学校で学ぶ喜びとその必要性を述べました。委員の一人は「ここにいらっしゃる皆さんが『なだぐるぐるして』(涙で目をしばたたかせて)お聞きになったと思います」と感想を述べました。生徒の言葉は各委員に充分に届いたと思います。
 10月7日、文教厚生委員会は満場一致で「夜間中学校に関する請願」を採択しました。13日、本会議は委員長報告を全会一致で可決しました。
 人を制度の中に追いやるのではなく、制度が人に近づけるような努力をそれぞれの立場の人間がしなけれなりません。学校も自治体も国家制度も同じことです。(ほ)