>学校をつくろう!

  第44号より
第4回 とぅんじーあしび

 恒例の年末パーティ"とぅんじーあしび"が12月18日に行われました。今年みんなが一番燃えたのが会場作りです。去年のテーマはジャングルでした。そのテーマに沿って会場の壁面は南国の植物が覆い茂りその中を動物や鳥が飛びかい、つる草に侵食されていく遺跡が配置されていました。今見てもなかなかの出来栄えです。
 それを超えた会場を作ろうというのです。テーマ決めは難航しましたが"沖縄の冬の海"に決定。沖縄と言えども冬は暗いイメージで夜間中学からはそのテーマは寒いさぁとの声。話し合いのなかから出てきたイメージはウージ(サトウキビ)の銀色の花が風にゆれるちょっと寂しい風景の中、ひとたび海の中を覗けばそこには色彩豊な世界があり満月が月の道を作っているというものです。みんなのなかにイケソウ!の雰囲気ができる。ここからはいろんなアイディアが飛び出し、壁画を魚の形にくり抜き色セロハァンを貼り中に電気を仕込むことにする。全員で3日間かって仕上げ、部屋を暗くして壁画の電飾をつけた時にみんなからため息のような歓声がもれた。夜間中学のみんなも若い人の想像力ってすごいねぇと喜んでくれる。会場作りでもう一つの苦労はその狭さ。去年ぐらいから感じていたが今年は夜間中学ができ、実際のものになった。ゴザを敷いてしのいだものの来年の課題として残った。
 各学年、グループの出し物もこれまでとは一味違った。中等部はメンバーの名前を盛り込んだオリジナルソング。高等部3年は"もしも高3が〇〇だったら"のバラエティーショウ、高等部1,2年と専門部の合同チームAは獅子舞、Bは子供時代の写真をつかった人物当てクイズ。夜間中学は爆笑を誘った「芋の時代」の踊りとしっとりとした「ふるさと」と「小禄豊見城」の合唱。有志ではバンド演奏、ヒップホップダンス、チアダンスなどこれまでの珊瑚舎に無かった出し物が相次いだ。意表をついたのは保護者による"プロジェクトX"。本番まで誰の出し物か秘密だったこともあり、いきなり鍬や鎌を持ったお母さんお父さんが登場して「まみどうま」(豊年を祝う踊り)を踊り始めると気合の入った踊りに会場は大喜びでした。卒業生は静かな朗読の形で珊瑚舎にメッセージを送ってくれました。新しい人たちとの出会いとともに昨年までの講師やスタッフの方達とも再会し、楽しい時間を過ごしました。
 なお生徒・学生はくたくたでしたが次の日は大掃除、その翌日は農作業と奮闘しました。(T)


学校の役割      その35

 2005年度から高等部と専門部がちょっと変ります。
いままで、大検(大学入学資格検定)と言われていた文科省の検定試験が廃止され、2005年度から「高等学校卒業程度認定」(高認) 試験が新たに実施されます。大検が大学受験希望者だけを対象にしていたのですが、「高認」は高卒資格に準じるものなので、試験に合格するとその後の進路の選択の幅が高卒者と同等になるわけです。
 珊瑚舎スコーレの高等部の生徒には三つのタイプがあります。資格取得に関わらず在籍している生徒、大検合格を目指している生徒、通信制高校に在籍している生徒です。
通信性高校に在籍して高卒資格を取得しようとする生徒はいわば、ダブルスクールの状態で、スクーリングなどがあると珊瑚舎の授業や行事に参加できなくなることがあります。生徒もスタッフも互いにどこか歯がゆさを感じていました。
 午前中のサポートの時間と並行して「高認」合格を視野に入れた一斉授業もカリキュラムの中に取り入れることにしました。珊瑚舎に通って高卒資格と同等のものを手に入れることができるわけです。この制度をおおいに活用しようと思います。徐々にダブルスクール状態の解消を考えています。
この「高認」制度は「学校の相対化」ということにつながるものだと思っています。それはまた、「学び」ということについても考えさせられることです。
 英語、国語、数1、理科から2科目、社会から世界史と2〜3科目、合計8〜9科目の基本的内容を理解していれば合格できるものです。一般の高校を卒業するために修得しなければならない科目の単位数と比較すれば随分「お手軽」ですし、授業以外の学校行事なども経験しないことになります。試験は8月と11月の2回実施され、1度に全科目を受験することもできますし、1科目だけ受験することもできます。1度合格した科目は「認定」を受けたことになりますから以後、受験する必要はありません。翌年の4月以降に満16歳になることを条件に15歳でも受験できますから、中学生が「高認」の資格を取得することも可能です。また、高校に在籍しながら「高認」で単位修得することもできます。
 この「お手軽さ」に対する批判もあります。3年間勉学に励んで手にした卒業と比べれば実質が貧弱で、安易に高卒と同等の価値を持たせることには納得がいかないということです。学校の相対化、学びの多様化という観点から考えれば的外れなことだと思います。
 専門部は2006年度に2年次が開設されます。
 かつて沖縄と関わりが深かったインドネシア、タイ、ベトナムの3ヶ国の歴史と文化、会話などを学び、日本語、英語、アジアの言葉のトライリンガルを可能にするカリキュラムが準備されます。後期の10〜12月の間にひと月ずつ2箇所での海外研修が必修になっています。
 そのため、アジア関連の講座は1年次から2年次に組替えられ、1年次は沖縄研究の各講座とフィールドワークが中心のカリキュラムになります。
 また、専門部は現在1年制ですが、学生たちの感想として1年は短すぎると言うものもありました。卒業後、珊瑚舎で学び、体験したことをバックボーンにした上で社会的にもその力が評価される能力を身につけられるようなカリキュラムを準備することが必要だと考えていました。このことは珊瑚舎の設立の趣旨の一つでもあります。
 ネックは経営的な問題でした。運営にはもろもろの資金が必要ですが、そのことを気にしているといつまで経っても開設できません。
 2005年度から那覇空港の出発ロビーに「沖縄トライリンガル留学」という電飾看板が設置されます。学生募集にどうぞ、ご協力頂けますようお願い致します。(ほ)