珊瑚舎スコーレ
第一回 詩のボクシング 開催
冬休み前の文章講座が1・2年の合同授業になるというので、なにをしようか考えていたら、せっかくの合同だから今までやったことのない新しい事をやりたいという声が多い。では、やってみようじゃないのということで12月16日「詩のボクシング」に挑戦することにしました。
「詩のボクシング」は、現代詩は難解で高踏的なものだという先入観から詩を解放し、私たちのより身近なものとして詩を取り戻そうとする試みです。ここ5〜6年若い人を中心にいろんな処で開催されています。
今回は、持ち時間3分以内で自作、他作を問わず自分が選んだ詩・文章を朗読し、その場で会場の拍手をもって勝敗を決します。参加者は15人、トーナメント形式で争いました。試合の一週間前に知らせたのでみんな用意ができるか心配だったのですが、全くの杞憂でした。ほとんどの人が3回戦までの詩をしっかり用意して試合に臨んでいました(普段の課題もこんなふうだったら良いなぁ)。
教室に一応青コーナー・赤コーナーをつくり、真中にマイクを設置し、対戦相手をくじ引きで決めました。対戦相手が決まる度どよめきと喚声があがります。
「始めるよ」と声をかけて気がついたのですが、いつもの授業のゆんたく状態とは異なり真剣勝負の緊張感がみなぎっています。後で生徒の一人が「みんなの熱気と緊張感が混じりあって変な空気だった。こんな感じは珊瑚舎に来て初めて味わったよ」と言っていました。 それぞれが用意した詩は自作、他作を問わずいつも知っている彼らからは想像できない作品が多く、意外な一面を知りました。3回のトーナメントが終った後は決勝戦です。この試合はあらかじめ朗読する作品を用意しません。その時会場にいた人に「題」をだしてもらい即興で争います。今回は音楽の屋良文雄さんと星野さんから題をもらいました。題が書かれた紙を見たその時から、持ち時間の3分が始まり、時間オーバーは失格です。決勝戦に残ったのは高等部の宮城信大朗(ガバナー)と広田伸子。二人の即興詩を紹介します。
宮城信大朗
「音」 (出題、屋良文雄)
音がきこえる
音が耳に入ってくる
音は体の中をひっかきまして
音が頭の中で暴れる
足の中で暴れる 手の中で暴れる
暴れまわって
ちぎれかけた血や肉が
声となって
声をはきだし ひとごみを引き裂いて
誰かをこなごなにする
広田伸子
「ほ」 (出題、星野人史)
棒で出来ている
1本 2本 3本 4本
その言葉 その音 その形
何かを表しているの?
道端を歩く
空を見上げる
自分の胸にひとつの言葉が落ちてくる
ほ
それは ただのひらがなで ただの単語
ただの棒で出来ている言葉にすぎない
優勝したのは伸子でした。詩のボクシングは勝ち負けのおもしろさということもあるでしょうが、それをこえて各自が作品を準備すること自体が楽しそうです。自分の気にいっている作品をどの試合に出すのか、意表をつくものを用意すべきか、やはり自作で押しとおすべきか。試合の作戦も含めて作品選びに自己表現の要素があるからでしょう。
生徒の感想に「どれも一人一人の味があり、聞き応えがあった。ただの紙切れに書かれた言葉が、人が吐きだした声によってこんなにメッセージ性が強くなるんだと感心した。詩のボクシングは詩と詩の戦いであり、肉声と肉声のチャンバラである。」とありました。
もう1人、岩間幾何の感想を載せます。
「珊瑚舎初の詩のボクシンブは成功に終ったと思う。1人1人選んだ詩は意外性に富んでおもしろい。自作の人の詩もよかった。場にもいい緊張感があった。あとはリングがあれば良かったが、リングはかなりの高額らしいのでスコーレには夢の話だ。欲を言えばきりがない、ともかく再戦の声があがるほど好評なので珊瑚舎の恒例行事になるだろう。いや、なって欲しい。
私は詩のボクシングがきっかけで詩を読むようになった。詩のボクシングがあってよかったと思っている。"いい詩には、人の心を解き放ってくれる力があって、また生きとし生けるもののいとおしみの感情をやさしく誘い出してくれる"という言葉が実感できた。本番用に用意した3作のなかで最も好きな詩を最初に読んだ。永井善三郎の『母だけへの遺書』だ。 「おっかさん ただもう1度だけ ぼくをにんしんして下さい」から始まるこの詩は、私の詩に対するイメージをとりはらった。私はこの詩によって、私のしらない世界、異国の地に引きずり込まれるようだった。この詩を読みたいと思った。詩を読むことで何かを満たしたかったのかもしれない。声に出して読むだけでは朗読ではないと知っている。でも、読んでいて気持ちがよかった。かなりの緊張で手も震えたが、終った後、達成感があった。
今回の詩のボクシングは詩のもつ力と人から発せられた声が混じり合って強い力が生まれていた。1人1人の力が強くて見ていると押しつぶされそうだった。何か場の持つ力を感じた。次の詩のボクシングが楽しみです。
遊ぶことが自然と学びに通じていく、いや遊びと学びは同じことなのだと実感させられた時間でした。
試合が終った後、みんなが用意した41編を作品集にまとめました。珊瑚舎の宝物です。
とぅんじーあしびを企画して
高等部1年 岩瀬 綾香
今年もやってきた!!珊瑚舎で一番のbigイベント。今回はメンバーも増えたし、どんな「とぅんじーあしび」になるんだろう。私は全然想像がつかなかった。でもとにかくわくわくしていたのです。
準備の3日間はとにかくあっという間だった。会場のセッティングに各係りの仕事。そして今年は新たに各学年からの出し物も加わった。もちろん事務局からもです。だからみんなバタバタしっぱなし。やればやるほど欲も出てくるからね。やることはたくさんあって大変だけどお楽しみのためだから全然辛くはない。眠い眠い眼をがんばって開けて頭を起こす。私が一番大変だったのは学年の出し物の琉舞です。3人でやるんだけど、なかなか練習が出来なくって最後の3日間に詰め込んだ感じだった。時間をうまく使うのが難しかったかな。さて準備もバッチリ出来て迎えた本番は・・・。
開場してから少しずつお客さんがやってくる。会場がにぎやかになり、テーブルの上の料理もにぎやかな色に!そしてオープニングへ。今回はインドネシアの楽器アンクロンを使って全員で2曲を演奏した。(アジア講座の岡松美枝さんありがとう)さぁ、どんどん始まるぞ。
1部は有志の出し物が中心で、部活のダンスやオリジナル曲の演奏が続く。体育講座の千里さんと海音子さんが駆けつけてくれて太鼓と笛の見事なパフォーマンスを披露してくれた。私は見るのと、みんなが持ってきてくれた料理を食べるのに大忙し。腕相撲大会やプレゼント交換があり、2部は学年中心の出し物。沖縄歴史クイズ、琉舞、詩の朗読、手品、創作劇、偽親子三線といろんな出し物があった。驚くものやら、ただ見とれてしまうものまで。でも、バタバタしていてもうあんまり分けわかんなくなちゃった。だけど本当によかった。やっぱり企画者として参加できてよかった。たくさんの人の笑顔に会えてヨカッタ。私自身も企画などを通してまたいろんな体験ができたし、学ぶことが出来た。大変だったけど、その分ステキなことが返ってきた。珊瑚舎にいてよかったなって思うんだよ。
寮に帰ってきてもコーフンしてなかなか眠れなくって、次の日は寝不足で辛かったな。片付けは準備の倍の早さで終っちゃって寂しい。
来年は今年の反省も踏まえてもっともっと"暖かいとぅんじー"になるので、どうぞみなさんお越しください。
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