八連句は、高等部、専門部の文章講座で作ります。連句は三十六句の歌仙が一般的ですが、授業で歌仙を巻くのは時間的に難しいため、八句で構成する八連句を考えました。細かなことはここでは触れませんが、八句は二句ずつ起承転結で構成するなど、作る際に心がけて欲しいことがいくつかあります。生徒全員が発句から挙句まで作り、出来た生徒は黒板に書きます。どの句を採用するかは討論で決めますが、なかなか決まらない時は多数に支持された句、又は講師が選んだ句を採用します。授業では完成した八連句をもとに「八連句物語」をそれぞれの生徒が書きます。
★「種はこぶ風」の巻
種はこぶ風はまれ人土はきみ 俊水
葉の形さえ時にまかせて 蚊曲
桜散りでいご花咲く別れの日 瀬底
真赤な糸はどこまで伸びる 伸
トーストのこげた匂いで目が覚めた たづこ
あれが夢でもこれが夢でも 梅香
今ここの五官をすまし歩みゆく 梅香
がじゅまるの気根(ひげ)のびろよのびろ 玻瑳
「種はこぶ風」の巻は第1回「まれ人講座」でまれ人に谷川俊太郎さんをお招きし、参加者の作った句を谷川さんが選句したものです。発句は谷川さんの句です。
★「桜舞う」の巻
桜舞うこの木の下で約束を 零式
乾いた風が帽子を飛ばす 月歯
息をつく紅一点の狂い咲き 米草
季節外れの風鈴がなる 駿風
言葉より涙が先にでていった 楽吉
海の底にも粉雪は降る 玲波
雨音にどこか似ている父の歌 駿風
スキップで駆けるみどりの路(みち) 米草
★「黒板に」の巻
黒板に文字の花咲き散り落ちる 米草
白紙に刻む言葉の歴史 駿風
足音が遠くで聞こえおぼろ月 女菜
ウージの原をたゆたう波が 月歯
君の耳ふした瞳と星の唄 羽羽
心で追えば自然の流れ 少林
花びらに空の涙が輝いて 綉倭
ふり向かないよ辿り着くまで 綉倭
★「サバニ漕ぐ」の巻
サバニ漕ぐ掛け声合わせ波の花 香曜
波紋広がるおちょこの中で 雲雲
地球から一粒落ちた月の上 葉出
夜はさかさままたさかあがり 葉出
飲み込んで吐くため息は色をもち 羽羽
遠い秋空ちっぽけな僕 くらげ
カブトムシそっと近づくあみの影 フィリップ
またいつ愛でるアサガオの種 羽羽
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